このコラムでは シルクスクリーン印刷の靴下が出来るまでを追跡し紹介していきます。
(vol.1)では シルクスクリーン印刷の靴下を一緒に作ってくださる
小島日和(以降ひよりさんとお呼びします)さんとの出会いや ひよりさんのテキスタイル作品
「てりはえる」のお話、第1回目の打ち合わせの内容を記しています。
(vol.2)では 靴下にプリントする具体的なイメージ決めの打ち合わせの様子を記しています。
大学の工房へお邪魔してきました
hacuから 車で20分~25分くらいの場所(北名古屋市)に ひよりさんが通ってみえる
名古屋芸術大学があります。
今日はひよりさんの大学の工房へお邪魔して サンプル刷りを見学させていただく予定です。
卒業制作終わりました!と満面の笑みで出迎えてくれたひよりさん。
大学の工房まで案内していただき 早速作業を見学。
工房に入ると大きな作業机が並び 奥には染物をするためのコンロやステンレスの鍋?が
横一列にずらりと乾かしてありました。
私がやってくるまでに ひよりさんが何パターンかサンプルを刷っていてくれたので
それを見ながら 色の調整や版の配置の希望を伝えていきます。
↑メモをとるひよりさん。
シルクスクリーンの版はこの透明な特殊なフィルム?のようなもので
透かして見てみるとうっすら柄が。
このプチプチの柄の部分に穴が空いていてこの穴から染料を
生地に刷り込むのです。
染料は 特殊な糊状の溶液と混ぜあわされていました。
さあ いよいよ染料をのせていきましょう
工房の作業台の天板には特殊な糊が塗ってあり
生地を置くと引っ付いて作業していてもずれないようになっているのです。
靴下に紙をかませ、版を固定してから色を乗せていきます。
まずは黄色を・・
少しずつ丁寧に染料を押し滑らせ 生地に写し取っていきます。
版を取ると まずは1版の出来上がり。
ほどよく乾いた頃に2版の準備。
グリーンが重なりました。
もうこれだけでもきれいです。
3版 空のブルーをのせましょう。
この作業を何度か繰り返し小さな靴下に春の景色が浮かび上がりました。
色をのせたすぐは色が濃いのですが 定着すると少し淡くなります。
黄色、緑、青
この3色の重なりで菜の花畑を思い浮かべていただけたらうれしいです。
柔らかな春の風景を思い浮かべつつ、みなさんが足元から
春を感じていただけるようにと願いながら
ひよりさんの作業は今日も丁寧に進むのでした。
撮影・文:中村
次回は もうひとつの日本の春の風景を靴下に写し取ります・・
つづく。